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葬儀屋さんの金ピカの車、の話
2024年03月04日 担当者:葬儀屋さんの金ピカの車、の話
こんにちは。瓢箪山ホール、神田です。
「あたしが死んだら、あのザ葬式って感じの金ピカの車に乗りてぇなぁ」
この発言はいつだったか、自分の葬式はどうして欲しいかについて妹と話していた時に言われた言葉です。
この妹の言う金ピカの車、2、30年前まではごく一般的に見られ、葬儀場から火葬場まで故人様をお運びしていた霊柩車で『宮型霊柩車』と言います。黒の車に金の装飾を施した宮型の輿を乗せた霊柩車で、もともとは野辺送りの際に、故人様をお乗せした輿を担いで運んでいたことに由来すると言われています。
お宮の色は自分の故郷では黒漆塗りに金色細工、金色屋根の絢爛な見目でしたが、関西では白木造りに金色の細工を配した壮麗な霊柩車が多く使用されていたようです。
ただこの宮型霊柩車、近年では全く見ることがなくなり、現在は一目では霊柩車と分からない洋風霊柩車が稼働しています。
宮型霊柩車が消えた理由、その一つが、妹の発言の中にある「ザ葬式って感じ」にあります。
霊柩車を見たら親指隠せ。隠さんと親の死に目に逢えんようになるぞ。
遠目で見ても一目で霊柩車と分かる外観。否が応でも葬儀や死を想起させる姿は次第に嫌厭されるようになります。
見るのも嫌だ。葬儀をしていると知られたくない。
その声に応えるように登場した洋風霊柩車は、仏式神式のみならず様々な宗教に対応でき、手入れが容易で葬儀社としても都合の良いものでした。また近隣住民への配慮から一部火葬場への乗り入れ禁止、法規制による宮型霊柩車の新造の難化、職人の減少による宮部の維持修繕の困難化、そして需要の低下と諸々の要因も合わさった結果、葬儀屋さんの金ピカの車は姿を消していきました。
今、多くの葬儀社で打ち合わせをしても宮型霊柩車が提示されることはほぼありません。カタログを開くと黒色か白色の洋風霊柩車が並んでいます。
泉屋でもかつては宮型霊柩車を扱っていましたが、時代の流れに伴い、現在は洋風霊柩車にて故人様をお送りしています。
年々お葬式の形は変わります。ましてや何十年も経てば様変わりします。
時代の流ればかりはどうしようもないこともありますが、可能な限り近しい形で故人様や親族様の希望を叶えることが出来たらと思います。
なお妹は宮型が無理なら軽トラで良いそうです。
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